起業家精神: 恒に志高き起業家たれ!
1978〜82年 Bay Area Friends からの刺激
BAF (バフ) は Bay Area Friends(ベイエリアフレンズ)の頭文字です。
私が4年間を過ごしたSan Francisco Bay Area (アメリカ西海岸シリコンバレーの一帯)は、
1980年頃から既成概念にとらわれない"Think Different! (異端児達の発想) " の新規事業が続々と誕生した地域です。
その感動を与えてくれたアントレプレナー(起業家)達の輪が世界中に広がってゆけば「きっと世界は変わる」、という願いをこめてつけた社名です。
中国語(漢字)での表記が必要になり、香港(広東語)で「バフ」と発音する漢字をふたつ見つけました。 ひとつは「百福」もうひとつが「百富」でした。
まずは会社に富貴をと考え『百富』を漢字の社名として使用しましたが、おかげさまで中国での認知度も高まってきました。 日本国内での登記上の法人名は「株式会社 BAF (バフ」です。
1986年6月3日 「株式会社 バ フ」設立趣意書 (初心忘るべからず)
私自身の経営理念は、社の内外において、人との交わりを大切にすることに始まります。さらに時代をよく見極め素早く対応すること、感性を活かすことを心掛け、国際社会に何らかの貢献ができる、そんな会社に育てて行きたく思っています。夢は膨らみますが、皆様のご指導により、一歩一歩事業を実現化して行こうと決意しております。
ひとつだけご協力を仰ぎたくお願い申し上げます。何分にも、若輩者ですので、人と人とのつながりが少なく、適切な方々からの適切なアドバイスをいただくことに苦労しています。差し障りのない程度で結構ですので、皆様の積みかさねられたご交流関係の中の方々を紹介していただければ幸いです。
頑張ります。ご協力お願い申し上げます。
1986. 6. 3 The BAF Inc.
藤 修二
1988〜1989年(昭和から平成へ) アントレプレナーカレッジ(東京)推薦入学 小論文
私は2年ほど前に、The BAF Inc. (Bay Area Friends)という株式会社を設立しました。その一方、New YorkでAsia Pacific Industries, Inc.という多国籍ベンチャー企業を目指している若きEntrepreneurと知り合い、その後日本人パートナーとして共に働いています。先日教えていただいた、Symbiosisを実践しているようなものかも知れません。
私はEntrepreneurshipに対して、長い間、強いあこがれを抱いていました。ここ数年実感していたことですが、大企業にずっと牛耳られていた日本の経済社会もやっと目を覚まし、時代はまさに、少数精鋭のベンチャー企業の活躍を必要としているようです。"起業家"としてInnovationをとくべき絶好の機会がやっと到来したのです。私も無計画のままでしたが、自分が求める理想的な企業を築くため、矢も楯もたまらず、暗中模索と覚悟しながらも独り立ちしました。私もパートナー達も"大企業家"を目指して会社をスタートさせ、これから始る社史のFirst Chapterを執筆しようと意気込んでいます。
しかし最近、まるで夢を追い西部を目指した開拓者達が、グランドキャニオンにでもぶちあたったような思いでいます。ここで後もどりするつもりはありません。この難関をBreak ThroughするためにもこのCollegeにかけている期待は大きいのです。
Entrepreneurのための経営管理システムを習得する:
現在、世に認められて登場した"ベンチャービジネス"と呼ばれるものの大半は、それイコール技術力を中心としたHigh-Techの企業です。それは丁度、独りでグランドキャニオンを飛び越す術は知っていても、これから生きのびるための道具を全て残してきたようなものです。数多くの失敗例を生んでしまいました。会社を設立した以上、"起業家"は単に最初の思いつきのみに頼るのでなく、最後まで戦い生き残れるための術を身につけた"企業家"として成長することが大切であると思います。
この意味に於いて、ベンチャービジネスにおいても、Entrepreneur自身、経営管理の基本を習得することがいかに重要なことであるかを理解しています。
しかし、ベンチャービジネスに共通している本質とは、なんと言っても、P. F. Druckerが述べるように、"ハイテクもまた、結局のところは人によって作られる"ということでしょう。思いもかけない素晴らしいアイデアを提供できるのも人によってです。いい人材を確保し育てられなくては、今後の企業は成長できないと思います。
私は今、"ヒトというものを単に労働力を提供する資源としてはとらえず、感情もあれば頭脳も持つ存在、自分個人の主張をしたいと同時に、集団の中での調和も自然に考えられる存在、そんなヒトの集団として企業をとらえるという考え方----人本主義"(伊丹 敬之著)に共感しています。人が愛せる企業、人を愛せる経営を確立したいのです。こうしたコンセプトが会社を満たせば、世代を越え、国を越えた企業を作り出すことは決して夢ではないと信じます。このためにも、よりよい経営管理システムを作り出す必要があると思います。
Networkingを構築する:
私も、人との出会いを大切に心掛けています。人と人との結びつきは無限の可能性を秘めています。人と人とのCommunicationに立脚してこそ企業は新たな啓発を受けそして創造性を持つことができるでしょう。特に国際化というのは、企業間の結びつきであっても、むしろ個人対個人の信頼関係により強化されるようです。少なくともベンチャービジネスの段階ではそうでしょう。私たち、The BAF Inc.もそうです。
アントレプレナーカレッジへの入学を希望する最大の目的は、より多くのこうした無限の可能性にふれることです。まさしく未来に無限の可能性を秘めた企業家達を世に送り出すためのインキュベーターの中へ抵抗力が付くまでの間、わが身を託す思いです。
藤 修二
全くの蛇足ですが、この文章もあのベンチャービジネスの雄でIBMに負けじと挑戦した"Apple Computer"を使って作りました。一日でも早く、ベンチャービジネスがいずれAppleのように、社会にLove Songを奏でられるEnterpriseとして身の回りに根ざす日が来るようにと切望しつつ私も努力をしています。 (昭和63年 夏)